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狂気のメニュー数 なんでこうなった?

9月14日
読了時間: 8分
狂気のメニュー数、何でこうなったサムネ

はじめに


※この記事は2024年3月に、

当時、開催していた

別のマーケティング講座受講生限定で

配信した記事を、今回、 加筆修正しました。


とても反響が多かった記事なので、

ぜひ、皆さんにも読んでもらいたいと思って 今回、再掲載に踏み切りました。

衝撃の出会い


先週の土曜、夕方から

ホテルでイベント仕事。


こういう日は、

腹が減ったら集中力が死ぬので、

早めに家を出て途中でランチ。


なんとなく「今日は中華かな〜」の気分で、

吸い込まれるように入ったのが

あけぼのらーめん


那覇市曙、小禄、一日橋にもある、

あの大衆中華ね。

で、店内に入って最初の感想がこれ


「メニュー、多っ」てか「メニュー多すぎ



実際の「あけぼのラーメン」曙店 店内の写真 すごくない?
実際の「あけぼのラーメン」曙店 店内の写真 すごくない?

ラーメンが大好きなので

まずはラーメンから探す・・・

ラーメンだけ、数えられただけで29種。 そして辛い物も大好き

辛いの好きだから、辛い系を探すと……

 

辛みそラーメン

四川ラーメン

台湾ラーメン

赤鬼ラーメン(※「激辛注意」の札)

担々麺

トマト担々麺

辛みそねぎラーメン

激辛ラーメン

四川辛みそラーメン

 

いや、なんでやねん!!

どれがどう違うのか、

この時点で脳がキャパオーバー。

 

しかもだ。


貼り方がカオス


席によって見えるメニューが違う。

「この席からしか読めないメニュー」が

平然と座敷の壁に貼ってある

ほとんど宝探し状態

眼球の筋トレか みたいな

 

外食の際、普段はだいたい

数十秒くらいで決めるんですが

この時は10分以上迷って、

途中で2回店員さんに質問。

 

「赤鬼と激辛って、どっちが辛いんですか?」

「激辛です」と即答。

私には一瞬、「そんなの常識でしょ」 くらいの圧に聞こえました(笑)

※もちろん、これは私の受け取り方です。

 

ちょっとイラっとして

「だったら『激辛注意』は

赤鬼の札に貼るなよ」

と言いそうになったけど、

私は大人、かつ皆さんご存じのとおり

とても温厚な性格なので、

言いませんでした。

 

最終的に「激辛ラーメン」を注文。

これは本題とは全く関係ありませんが

マジで激辛で半分しか 食べられませんでした。

辛いの大好きな私でも、

これはトップクラスの辛さ。

次回は赤鬼にします。

覚えました。身体が。



激辛ラーメン  文字通り激辛・・・
激辛ラーメン  文字通り激辛・・・

これこそが選択制回避の法則だ

この、いつもならあり得ないくらい 注文できなかった体験 なんとか注文した後に感じました

この店は「選ばせずに迷わせている」 そして、この辺りで「マーケターの血」が

ザワザワと騒ぎ始めました。 「あ~、そうだ、今おれは セミナーでいつも教えてる 選択制回避の法則 を体験してるんだ」


そう気づいた瞬間、頭の中では

「選択制回避(ジャムの法則)」 警告アラートが鳴りっぱなし状態。

 

で、その選択制回避の法則とは???

人は「選ぶこと」にエネルギーを使う。

有名な実験があって

アメリカのコロンビア大学での実験

ジャムの試食販売

A店では24種類、B店では6種類を試食

立ち止まって試食した数は A店→通行人の60% B店→通行人の40%

ここまではすんなり理解できますよね?


ここから先がポイント

では、実際、購入された割合は  

A店→試食した人の3%(通行人の1.8%) B店→試食した人の30%(通行人の12%)


通行人数=100人と想定した際の結果は↓

選択制回避の法則=ジャムの法則のコロンビア大学での実験結果
選択制回避の法則=ジャムの法則に関するコロンビア大学の実験


なぜこうなるかというと

人は、選択肢が増えると、 比較する負荷が大きくなり、 決定を先送りしたり、 選ばないという行動が 起きやすくなる場合があります。 最適な数は商品や状況によって変わります。 私は実務では、まず3〜5程度の「束」に 整理して検証することが多いです。

 

あっちにしとけばよかったかな?

これを選んでホントに良かったのかな?

 

って常に思ってるのです。

なので、選択肢が多すぎると

選ぶことすら拒否したくなる。

これが「選択制回避の法則」です。

 

この店では「選択制回避の法則」を

身をもって感じることができて

勉強になります(笑)

いや、マジで。

なぜ迷わせてはいけないの?


飲食店、経営してる方は

よくご存じだと思いますが

飲食店っていう業態は

席数と営業時間

という「天井」=上限

が決まってるなかで

売り上げを上げないといけない

モデルです。


ということはつまり、

回転率×客単価

で売り上げが決まります。

 

ここで私が気になったのが 回転率です。

使える時間の中で

いかにたくさん、買ってもらうか?

を考えたとき、

お客さんが食べる時間を

早くする

これはなかなか難しい

だとすると、いかに早く

注文してもらうか?

が重要です

 

私の場合、注文まで10分。 店員さんへの質問は2回。

これが私だけなら店全体への 影響は分かりません。 ただ、同じ迷いが他のお客さんにも 起きているなら、 回転率や説明の手間に影響する 可能性はあります。

 

さらに似てるメニューの 違いが判別不能 

これによって

期待と実体験のギャップ


が発生しやすくなります


「思ってたのと違う。

あっちにすれば良かった」


私自身、「赤鬼にすればよかった」 という期待差が起きました。 ということは同じことが起きる 余地はあるんじゃないかと思います。

 

念のため、お伝えしておきますが

私はこの店、

「選択制回避を感じる店」ってよく

セミナー時の例に使ってるので、

この店のこと嫌いだと

思われがちなんですが、

そんなことは微塵もありません


実際はむしろ好きになりました。

 

そもそも、私みたいに

「マーケター脳で考えると・・・」

みたいなややこしさで

斜めから見るようなことがしなければ

メニュー数がすごい

安くておいしい中華のお店。


カオス感がすごいんですけど、

その感覚も含め「街中華・大衆中華」の

パワーがあります。

 

私が行った時もお客さんは たくさん、入っていました。

私には「安く家族でお腹いっぱい」という 価値が、支持されている理由のひとつに見えます。

 

ただ、好きになったから、

だからなおさら惜しいなあ。

設計だけ整えたら、もっと売れるのになあ、

と思ってるのも事実です。

 

そこで、一切、頼まれてもないのに

例えば、もし私がコンサルに入るとしたら

という仮定というか勝手な「妄想」で、

戦略を練ってみました。

やることはだいたい5段階ですね。




逆襲の妄想コンサル 5Step


Step1.捨てる

直近3か月の販売数でABC分析=

粗利貢献度の高い順に並べます。

C=売れてない または説明が頻繁に必要な メニューは原則廃止

ファンが付いてるメニューは

「裏メニュー」で残します。

メニュー数はカテゴリごと 3〜5に絞ります。

Step2. 束ねる


似たメニューは1つに統合 例えば辛い系なら 辛味噌・担々・四川等、 「味の質」の軸  旨辛=入門編 赤鬼=中級編 激辛=挑戦痛辛 みたいな、辛さのレベルの軸  のように分類し、束ねます。


Step3. 並べる


壁バラ撒きはやめ、

カテゴリごとにゾーニングします。 人の視線の動き方はZ型

人は左上から読む

を利用し推奨1品を左上に 置きましょう。


Step4.一目で違いが分かるようにする

似たメニュー名や写真NG。

器・色・トッピングで視覚差を作ります。

コピーはStep2の束の分類方法を 軸を明確に表現します

 

例: ・ごま×旨辛味 ・噌×ピリ辛 ・しびれ×濃厚」

これで迷って選べない     ↓ 自分の好みでで選択できる に変わります。

Step5.計測する

今後のために下記のような 指標を設定し 計測します 例:

・注文決定時間(分)

・説明(質問される)回数/100組

・注文占有率.etc

 

1カテゴリずつ計測して 数字結果で比較します。

 

 

私ならこの5つを仮説として検証します。

この一連のプロセス、

「選択と集中」と呼ばれる 経営戦略のひとつです。

あなたのビジネスは大丈夫?

この「多すぎて選べない」問題 当然、飲食業には限らないってことは

わかりますよね? 


私に相談して「商品数が多すぎるよ」って

言われたことある方もいると思います。


それは「あけぼのラーメン状態ですよ」

って意味です。


例えば・・・

サロンのメニュー表:

似たようなプランが乱立してない?

お客様が理解できないような

分類してない?

→コース3つ+オプションに

集約できない? 


ECの商品一覧:

並び順が「新着」のまま止まってない?

まったくかかわりのない

商品同士を並列してない?

→まずは推奨1つ、決めようか?


BtoBのプラン:

・機能比較が明確化されて、

初心者でも選べる?

・専門用語だらけになってない?

→1行で差が分かるように修正しましょう


おわりに


いかがでしたか?

クレイジー町中華「あけぼのラーメン」


選択肢を増やす=親切ではない

むしろ、顧客の迷いの誘発してると

とらえましょう。

 

本当の親切とは、

間違えようがない状態を作ること。

「全部ありますよ」の優しさは、

「決められない地獄」を生みます。


3〜5の束・推奨ひとつ・違いを短く表現。

これだけでも、選ぶ負担はかなり減らせるはずです。 迷わせない。

売上と満足度の両方を考えるうえで、 かなり大事な視点だと思います。

 

再度、念のために書いておきますが

これは批判ではありません。


むしろ好きになったから書いてます。

「カオスも含めて味」な店って、

あるんですよね。


でも、メニュー設計の工夫だけで、

あの行列はもっと短時間で回せるし、

「辛いの好きな人が激辛で撃沈」

みたいな事故も減る(私)。

 

次行く時は赤鬼でリベンジします。

学びました。

そして「他店舗に体系的メニューブックがある」

と聞いたので、

それはそれで別の学びとしてまた書きます。。

 

最後にひと言

 

迷わせない。

これが、売上と満足度を 同時に上げる最短ルート。

選択制回避の法則は、 机上の空論じゃない。

汗かきながら激辛を 半分であきらめた

私の胃が、証人です。


あけぼのラーメン、ぜひ行ってみてください

 


逆襲の戦略マーケター山内 東

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